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「ここに来たら、絶対に癒やされる。」のざわふぁーむ・まなちゃんインタビュー

体の不調、コロナ禍の孤独、そして南砺との出会い。のざわふぁーむ・まなちゃんが語る、食と縁の話

自然栽培 のざわふぁーむの外観・青空と古民家
外観・青空と古民家 大きな杉の木に囲まれた古民家。青空と薪の山——第一印象から普通のカフェじゃないとわかる。

富山県南砺市梅原。山あいののどかな集落に、木・金・第1・第3土曜日だけ開くカフェがある。
自然栽培 のざわふぁーむ。
看板メニューは、おからこんにゃくを使ったビーガン料理。手作りの味噌、自家製梅ジュース、無農薬雑穀ごはん。すべてが「体に優しく、動物にも負担のない」ひと皿だ。
オーナーは、3人の子を育てながらこのカフェを切り盛りする「まなちゃん」こと能澤さん。なぜ富山市から南砺へ移り住み、なぜビーガン料理の道を選んだのか。その答えは、ひとつの病気と、1本の映画と、この土地が結んでくれた「縁」にあった。

自然栽培 のざわふぁーむの入口・のれん
入口・のれん まなちゃんがラオスのレンテン族から直接買い付けた手織りの布を、ご主人のお母さんに仕立ててもらったのれん。旅と手仕事と人の縁が、一枚の布に宿っている。

手作りのご飯が、体を治してくれた

まなちゃんがこの仕事を始めたのは、自分自身の経験がきっかけだ。

まなちゃん:

元々、多嚢胞性卵巣症候群っていう不妊系の病気を持っていて。それが手作りのご飯でだんだんと体が治っていったんです。それをもっと色んな人に知ってほしいなという思いで、ここまで来た感じですね。

食べることで体が変わる——その実感が、のざわふぁーむのすべての原点になっている。実際、まなちゃん自身もお肉や乳製品が体に合わず、以前は下痢がひどくガリガリだったという。食事を植物性中心に切り替えてから体重が10kg増え、「多分、健康体重になれた」と笑う。

インタビューを受ける自然栽培 のざわふぁーむのまなちゃん
インタビュー中、まなちゃんはよく笑う。自分の話をするとき、照れながらも楽しそうに。

コロナ禍の育休中、1本の映画が人生を変えた

ビーガンという選択をしたのは、2020年のこと。

まなちゃん:

製薬会社で働いてたんですけど、育休中で。コロナ真っ最中で外にも出られなくて、ネットサーフィンしてたら「ドミニオン」という屠殺映像をまとめた映画を見てしまって。そこで雷落ちちゃって。

「あ、ビーガンっていう食事があるんだ」——それが最初の気づきだったという。すぐに資格を取り、調味料を一新し、食卓をガラリと変えた。その変わりようを横で見ていたご主人は、内心こう思っていたそうだ。「こいつやべえな。冷蔵庫から調味料ぽんぽん捨て出すし、頭おかしいなって(笑)」。でも、ご飯はどんどん美味しくなっていった。気づけばご主人も、今では農作業を一緒にこなす一番の理解者になっている。

自然栽培 のざわふぁーむの店内・光差し込む空間
店内・光差し込む空間 障子越しに差し込む午後の光、木の温もり。ここに来るとなぜかほっとする。

「人が温かくて、来てよかった。」富山市から南砺へ

まなちゃん:

ここに来ると、ご近所さんが子供を見るとすっごい喜んでくださって。「よく来たね」って言ってくださるし。人が温かくて、来てよかったなってすごい思います。家と家の距離も離れてるんで、子供たちものびのびと暮らせてて、田舎っていいなって。

庭でニワトリも飼っている。「ニワトリを飼うんですけどご迷惑おかけします」と両隣に挨拶に行ったら、「全然いいよ、むしろ嬉しい。コケコッコーって聞くと気持ちいいわ」と言ってもらえた。

「くそまずい」から始まったおからこんにゃく

のざわふぁーむの看板食材は、おからこんにゃくだ。おから・こんにゃく粉・長芋・水酸化カルシウムの4つの国産原材料でできたこの食材、カロリーは鶏ささみの3分の1。植物性タンパク質は豆乳や豆腐よりも豊富で、消化に優しく、老若男女誰でも食べやすい。

自然栽培 のざわふぁーむの「おからこんにゃくランチ」
おからこんにゃくランチ(照り焼き・雑穀ご飯)雑穀ご飯の上に、こんがり焼けたおからこんにゃく。「お肉じゃないの?」と思わせる見た目と食べ応え。
まなちゃん:

ネットで買って、裏面の作り方通りにやったんです。そしたらくそまずくって!「えっ、こんなの、先行き無理だ」と思って慌てて資格取りに行ったんですけど(笑)。

コツは、旨味の出る植物性の食材——干し椎茸や昆布——をしっかり使うこと。「動物性食べてる方でも全然美味しいって思ってもらえるように」工夫している。

自然栽培 のざわふぁーむの「海老ココナッツスパイスカレー」
海老ココナッツスパイスカレー アスパラ、ブロッコリー、海老が色鮮やかに並ぶカレープレート。ルーの香りが漂ってきそうだ。

家族の手で混ぜるお味噌、友人と仕込む米醤油

お味噌は、いつも子供たちと手で混ぜて作る。手には常在菌がいて、それぞれの腸内環境に合った菌が宿っている。家族の手で仕込んだ味噌を食べることで、体が内側から整っていく——そういう考え方だ。醤油は昨年から、友人と一緒に米醤油を仕込み始めた。

まなちゃん:

めんどくさいですけど、そのほうが幸せを感じるんで。

調理前には、気持ちを整える時間を必ず作る。「美味しくなりますように」と心の中で思いながら料理を始める。それが絶対に妥協しないと決めていること、だと言う。

食への思いを語る自然栽培 のざわふぁーむのまなちゃん
食への思いを語るまなちゃんの表情は真剣で、でもやっぱりあたたかい。

スイーツも、全部本気

ランチだけじゃなく、スイーツも見逃せない。

自然栽培 のざわふぁーむの「スイーツプレート」
スイーツプレート(バスクチーズケーキ・ロールケーキ・チョコケーキ) ピンクがかった断面が美しい。「vegan・gluten free」とは思えない贅沢な仕上がり。

苺のバスクチーズケーキ(vegan・gluten free ¥700)、のざわふぁーむの卵を使った濃厚チョコケーキ(¥660)、無農薬米の生米マフィン(vegan・gluten free ¥460)。3種のハーフサイズが揃うスイーツセット(¥900)もおすすめ。自家製豆乳チャイや季節の発酵ソーダと合わせて、ゆっくりお茶の時間を過ごしてほしい。

「コンビニ飯の人にも、来てほしい」

まなちゃん:

皆さんよくコンビニで、駐車場で車の中で食べてたりしてるので。1ヶ月に1回でもいいんで、こういう優しいお食事を食べてもらえたら、また次の日頑張ろうって思ってもらえたらいいなと思って。

コロナ禍の育休中、外に出られず孤立して、うつ状態になった経験もある。だからこそ、子育てで悩んでいる親にも来てほしいと思っている。保育士の資格を持つボランティアスタッフもいて、赤ちゃんを抱っこしてもらいながらゆっくり食事ができる。

まなちゃん:

本当にちょっとフラットで来てもらえたら、絶対に癒やされるって自負してるんで。

お店を一言で表すなら、「縁」

まなちゃん:

「縁」ですね。ご縁の縁。ここに来れたのも、人とのご縁が繋いでくれたから。お客さん同士が「あ!」ってなったり、初めて会って話し込んでたりする場面を厨房から見てると、すごく嬉しくて。自分が色んな人に支えられてここまで来れたから、皆さんにもそういうご縁がどんどん繋がっていってもらえたら一番嬉しいですね。

手を胸の前で組んで、心から嬉しそうに笑う自然栽培 のざわふぁーむのまなちゃん
手を胸の前で組んで、心から嬉しそうに笑うまなちゃん。この笑顔に会いに来る人が、きっといる。

来て、食べて、ちょっと心が軽くなって帰ってほしい——それが、まなちゃんの願いだ。
木・金・第1・第3土曜日、南砺市梅原の小さなカフェに、あなたもぜひ。

取材・文:T’シグナル!編集部

自然栽培 のざわふぁーむ

基本情報

住所 〒939-1716 富山県南砺市梅原8565
営業時間

11:00 〜 16:00(L.O. 15:30)

営業日

木・金・第1・第3土曜日

電話番号 090-6274-6336
その他の事業・活動

お料理教室 / マルシェ出店 / 保存食販売

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