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「撮られるのは苦手」——照れ笑いのカメラマンが、一番いい顔をしていた。

TSTカメラマン・野手さんが46年かけてたどりついた、「これだ」という一瞬の話

野手さん・苦笑い気味の表情 「撮られるのはあまり好きじゃないんですよ」——その顔が、一番いい顔だった。

インタビューが始まってすぐ、野手さんが言った。
「撮られるのはあまり好きじゃないんですよ。できれば撮られたくない」
カメラマンが、カメラを向けられると困る。
その矛盾が、なんだかすごく野手さんらしかった。

「自己中な話ですけど」と笑う人

となみ衛星通信テレビ株式会社(TST)制作部制作課の野手さんは、46歳。6年前に中途入社して以来、地元のイベントや祭り、生放送の現場で、ずっとカメラを持って走り回ってきた。
口下手を自認している。褒めるのも苦手だと笑う。そして、撮られるのが嫌いだ。
「自己中な話ですけど」と前置きして、こう続ける。「普段撮ってる側なんで」と。
でも——インタビューの間中、野手さんはちゃんと言葉を選んで話してくれた。ゆっくり、時に「何言ってるんですかね、俺」と自分でツッコみながら。その不器用な誠実さが、画面越しにもにじんでいた。

カメラを持つ野手さんの後ろ姿
野手さん・カメラを持つ後ろ姿 地元の催し物、生放送の中継——ケーブルテレビの現場には、いつもこの背中がある。

月3万円のお小遣いで、「仕事イコール人生」

「なぜカメラマンをやっているんですか」と聞いたら、少し間があった。
「かっこいいこと言わなきゃいけないですね」と苦笑いして、それから言った。

野手さん:

仕事っていう割合を、結構多く占めてまして。仕事イコール人生というか、そういう感じですね。

家庭もある。子どももいる。給料は奥さんが管理して、月のお小遣いは3万円だ——と、あっけらかんと話す。
「仕事イコール人生」なのに、お金ではない。では何が野手さんをカメラに向かわせるのか。

野手さん:

人のいい表情を撮りたいんです。カメラで撮影してて「あ、これだ」って思う瞬間があるじゃないですか。そういったものを撮るのが、すごい気持ちのいいことで。

「これだ」——その一瞬のために、準備して、現場に立って、カメラを構えている。それが野手さんの仕事の、一番根っこにある。

取材・イベント現場のシーン
取材・イベント現場のシーン 「ここだ」という瞬間は、準備した人にしか来ない。

山に三脚を担いで登る、46歳

カメラの楽しいところと難しいところを聞いた。
楽しいところは、「これだ、という一瞬が撮れた時」と即答した。難しいところは、少し間があって——「山の撮影とか、三脚とカメラを持って1人で上がるとしんどいですよね。体力的に」と笑った。
インタビュアーが「野手さんっていくつなんですか?」と聞くと、「46ですね」と答えた。
山に機材を担いで登る46歳が、それでも登るのは、いい画が撮れるからだ。「そのために撮りに行ってるんで」と言い切る顔は、迷いがなかった。
自己満足かもしれない。でも、自己満足をずっと追いかけてきた人の仕事には、何かが宿る。

「出てて嬉しかったよ」が、全部だった

放送が終わると、時々声をかけてもらえる。
「良かったよ」「出てて嬉しかったよ」——取材先の人や、顔見知りから。

野手さん:

やっぱ撮影して放送が終わってから、そういった言葉が僕の励みになってますね。声が出なくても、笑顔や、撮影が終わった後の笑顔を見ることで嬉しくなって。

ケーブルテレビだから、取材相手との距離が近い。放送後に「良かったよ」と言ってもらえる距離感がある。それが、野手さんにとって一番大事なフィードバックだ。

取材先・地元の人との一コマ
取材先・地元の人との一コマ ケーブルテレビの距離感が、「また来たいよ」の一言を生む。

それでも、TSTにいる理由

もともとはイベント系のカメラマンだった。放送の世界とは無縁だった。それでもTSTを選んだのは——

野手さん:

ケーブルテレビの強みって、地元を密着するというか、掘り下げるというか、そういったことができるのが一番の魅力だと思ってて。局の方は満遍なくだと思うんですけど、ケーブルはそこまで行けるというか。

一般の放送局でもカメラマンはできる。でも野手さんが撮りたいのは、深く掘り下げた先にある顔だ。誰かの「いい表情」は、そこにこそある。
その確信があるから、TSTにいる。

地元の風景・野手さんのシルエット
地元の風景・野手さんのシルエット 地元を深く写せるのが、ケーブルテレビの仕事だ。

「まだまだ修行中」と言える人が、いい画を撮る

インタビューの終わりに、こんな話をしてくれた。
カメラマンには「嗅覚」があると思っている、と。現場の空気を読んで、一瞬前に気配を感じて、レンズを向ける。上手なカメラマンは、その瞬間を撮り逃さない。
「そういうカメラマンになりたいなとは思ってますけどね」
——46歳、入社6年。

野手さん:

まあまだまだ修行中のみですね。

そう言って、照れたように笑った。
撮られるのは好きじゃない。でも笑った顔は、ちゃんとカメラに収まっていた。

自然な笑顔の野手さん
野手さん・自然な笑顔 「撮られたくない」と言いながら、このカットが一番うまかった。

となみ衛星通信テレビ株式会社

基本情報

住所 〒939-1533 富山県南砺市八塚568番地の2
アクセス

JR城端線 福野駅より徒歩約15分
Googleマップ

営業時間

8:45 〜 17:45(電話受付時間)

営業日

月曜〜金曜

定休日

土曜隔週・日曜・祝日・年末年始

電話番号 0763-22-7600
駐車場

あり

創業

平成元年1月11日(1989年)
CATV開局:平成3年6月1日(1991年)

その他の事業・活動

有線テレビジョン放送事業 / 電気通信事業(インターネット・電話・ケーブルスマホ)

公式サイト https://www.tst.ne.jp/
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