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「ありがとう」は、有るのが難しいと書く。福光工業・社長インタビュー

福光工業・社長が語る、縁の下のものづくりと、楽しく働くということ

外観・社屋 富山県南砺市福光。この場所で45年間、世の中に欠かせないものを作り続けてきた。

「皆さん、たい焼きは知ってると思うんですけど」
社長がそう言って、少し笑った。金型の仕事を説明するとき、いつもこの話から入るのだという。

たい焼きを食べたくてお店に行く人は、あの型のことをきっと考えない。でも型がなければ、たい焼きはない。株式会社福光工業が作っているのは、まさにその「型」だ——見えないけれど、世の中のあちこちに、確かにある。

企業コンセプトは「金型を通してお客様へ感動をお届けする」。型を作ることが、誰かの感動に繋がる。その信念が、1981年の創業から今日まで続いている。

社長・インタビュー中 穏やかな口調で、でも一言一言を丁寧に選びながら話す。

「なんとかなるだろう」は、本当に大変だった

株式会社福光工業は、1981年創業の金型メーカーだ。社長は51歳、入社して約30年。8年前に社長に就いた。
もともとは創業者の親族でもなんでもない。一従業員から、社長になった。

社長:

なんとかなるだろうっていうふうな感じで、お引き受けしたんですけども。実際やってみると、やっぱり社長っていうのは大変だなって思いましたね。

「なんとかなりませんでしたか?」と聞くと、「いや、本当大変ですね」と即答して笑った。その正直さが、なんだか気持ちよかった。
大変だった、でも続けてきた。そこにこの人の8年間がある。

新幹線のトイレのスイッチも、ブレーカーのボックスも

金型と言われても、ピンとこない人が多い。社長はそのことをよくわかっていて、身近なものに置き換えて教えてくれる。

社長:

例えば近所で言うと、すき家とかの牛丼屋さんの鍋みたいなものとか。新幹線の駅のトイレの自動ドアのスイッチとか。あと絶対皆さんの家についてると思うんですけど、ブレーカーのボックスありますよね。ああいったものも、弊社の方で金型を作っています。

「縁の下の力持ちのような形で、世の中のお役に立てれば」と話す声は、誇らしそうでも自慢げでもなく、ただ静かに確かだった。
設計から完成まで、すべてを請け負う。3Dで問題を先に洗い出し、お客様に提案しながら進めていく。見えないところで、ちゃんと考え抜かれている。

製造・加工の様子 3D設計から金型完成まで、一貫して手がける。

全然違う業種から来た若者が、今は無くてはならない存在に

工業系の学校を出ていなくても、ものづくりに興味があれば入れる。

社長:

皆さん共通してるのは、ものづくりがしたいとか、手に職をつけたいとか、そういうことを言って入ってこられたんですけど。皆さん本当に、その意気込みが感じられるぐらいに熱意ある頑張りで、めきめきと力をつけて、今では本当に無くてはならない方たちばっかり。

今、若手社員の3人は市外から移住してまで入ってきた。南砺市福光という地方の、小さな金型メーカーに。
「それで少しでもこう活性化というか、活気が出ればなって、小さいながらに思いながら」と、社長は照れたように言った。

若手社員の様子 異業種から転職してきた若者が、即戦力として活躍している。

どうせなら、笑顔でいこう

経営理念に「福光で働いてよかった」という言葉がある。それは「楽でよかった」ではない、と社長は言う。

社長:

成長できてよかったとか、自分がこの会社で働いたことによって得るものがあったとか、そういったことをやっていきたい。でもやっぱり朝8時から夕方5時まで、人生の中で一番長く一緒に過ごすメンバーなんですよね、ここにいる人たちが。だからせっかくだったら、楽しく笑顔でやっていこうよっていうのはいつもみんなにも言ってます。

厳しいことも言う、指導もする。でもその根っこには、「どうせ一緒にいるなら楽しくいたい」という温かさがある。

社員・職場の雰囲気 社長と社員の距離の近さが、この会社の空気感を作っている。

「ありがとう」は、有るのが難しい

座右の銘を聞いた。

社長:

やっぱり「ありがとう」ということですよね。「ありがとう」って漢字で書くと、有るのが難しいって書きますけど。こういう会社があって、お客様が仕事をくださって、仕入先の皆さんが支えてくださったり、社員の皆さんが一生懸命頑張ったり、その家族の方がいらっしゃったり。本当に全てが当たり前じゃないなっていう中で、私たちがこういう事業を続けていけているんかなと思いますんで。

「有難い」——有るのが難しい。

1981年から40年以上。会社として続けてこられたことそのものが、すでに難しいことだったのかもしれない。でも社長は、それを大げさに言わず、ただ「ありがとう」という言葉に込めて、毎日現場に立っている。
「金型を通してお客様へ感動をお届けする」——そのコンセプトの根っこには、この感謝がある。

社長・笑顔 「楽しく、明るく盛り上げていきたい」。その言葉がそのまま顔に出ていた。

株式会社 福光工業

基本情報

住所 〒939-1703 富山県南砺市一日市230
アクセス

Googleマップ

営業時間

8:00 〜 17:00(目安)

営業日

月曜〜金曜

定休日

土曜・日曜・祝日

電話番号 0763-52-1140
駐車場

あり

創業

1981年(昭和56年)

その他の事業・活動

金型製造(プラスチック金型・ダイカスト金型)設計〜量産まで一貫対応

公式サイト https://fukumitsu-kougyou.co.jp/
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