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「おい、おっさん行くぞ。」おっさん食堂・不破さんインタビュー

20年分の修行と、砺波への愛。おっさん食堂・不破さんが作る、コクだけのスープ

外観・店舗看板 「おっさん食堂」という名前が目に入った瞬間、思わず笑ってしまう。でもその名前には、真剣な思いが宿っていた。

富山県砺波市太郎丸。住宅街の一角に、ちょっと変わった名前のラーメン店がある。
おっさん食堂。
40を過ぎた男が、20年以上のラーメン職人としての経験を積み上げ、生まれ育った砺波でついに自分の店を開いた。
化学調味料は一切使わない。スープは2日間かけて仕込む。富山県内唯一、昔ながらの製法で作られる「畑醸造」の醤油だけを使う。なぜそこまでするのか。その答えは、修行時代に見た夢と、この土地への思いに、全部詰まっていた。

店内・カウンター カウンター越しに見える厨房。ここで毎日、2日がかりのスープが生まれる。

「おっさん」が主役になれる店を作りたかった

「おっさん食堂」という名前の由来を聞いた。

不破さん:

自分が40過ぎた時に、ああ大人って大変だなって。今の世の中、おっさんが頑張ってるのになんでこんな苦しいんだろうっていう。そういった人たちを、自分が頑張ることで応援したいなという思いがありました。

「おっさんが頑張っているのに、なぜこんなに苦しいのか」——その感覚は、長年働き続けてきた人なら、きっと身に覚えがあるはずだ。
不破さんが目指したのは、そんなおっさんたちが肩の力を抜いて入れる場所。もちろん、おっさんだけじゃない。

不破さん:

食材にこだわって作ってるんで、本当にお子様もいけますし。年配の方夫婦で来られる場合も行列並んでいただけてるんで。本当に小さい方からご年配の方まで安心して召し上がっていただけるようなラーメンです。

中華そば(丼・アップ) 透き通った黄金色のスープ。柚子が添えられ、見た目からすでに上品さが漂う。

「餃子が足りない」という夢を、5年間見続けた

不破さんのラーメン歴は20年以上。しかしその道は、最初から順風満帆ではなかった。

不破さん:

若い頃は正直そんなに仕事ができたわけではなかったんで、毎日「餃子が足りない、餃子が足りない」っていう風にうなされてたっていうのを乗り越えて今があるんかなと思います。

夢でまでうなされ続けた——そんな話を、不破さんは笑いながら語る。「出しても出しても、常に餃子まだ足りない」という夢を5〜6年ほど見続けたという。その苦しかった時代があるから、今がある。

砺波で開いた理由は、「原動力」がここにあったから

不破さん:

若い頃から遊ばずにずっと土日は仕事してて。でも高校生とか20代の頃も含めて、友達や知り合いが食べに来てくれるっていうのがよくありました。それが自分にとっての働く力、原動力でした。生まれ育った砺波で応援してくれる方もたくさんいますし、自分の頑張ってる姿をまた見に来ていただきたいなっていう思いで砺波にオープンしました。

スープ・仕込みの様子 黄金色のスープは、2日間の工程を経て完成する。濁りを取り除く工程が、上品な味わいの鍵だ。

2日間かけて作るスープの、絶対に譲れないもの

おっさん食堂のスープは、2日がかりで仕込まれる。1日目に鶏をじっくり炊き出し、2日目に挽き肉を加えて旨味を追加したうえで、濁りを丁寧に取り除いて仕上げる。

不破さん:

最初の1日目では濁ったスープなんですけど、それを透き通った中華そばのスープに仕上げるっていうのは絶対譲れないというか。濁ってたらこってりラーメンみたいになっちゃうんで、そこは気をつけてます。

スープのベースはほぼ鶏のみ。他店と一線を画すのは、鶏の足(もみじ)を砕いて髄からコクを引き出すという独自の手法だ。

不破さん:

小骨を割って髄を出すことでよりコクがあるスープに仕上がっています。

「畑醸造」の醤油があるから、化学調味料はいらない

使っているのは、富山県内で唯一、昔ながらの製法を守り続ける「畑醸造」の醤油。シイタケや昆布の旨味を染み込ませた「かえし」として使う。

不破さん:

畑醸造さんを見学させてもらい、昔ながらの製法でこだわって作っていらっしゃる姿を見て、「この味を使うなら下手な手入れはしたらあかんな」と勉強になりました。だから化学調味料を使ったら申し訳ないなと思ったのがきっかけです。

白醤油そば 鰹と椎茸の香りが立ち上る、繊細な一杯。ツルツルのストレート麺が、スープとよく絡む。

3つのそば、それぞれの個性

おっさん食堂が誇る3種のラーメンは、それぞれ全くキャラクターが違う。
白醤油そばは、鰹と椎茸の香り・旨味を前面に押し出した一杯。そうめんに近いツルツルのストレート麺が、澄んだスープとよく合う。中華そばは、畑醸造の醤油のコクを最大限に活かした、やや濃厚な仕上がり。柚子をトッピングすることで後味をすっきりさせている。
煮干しそばは、氷見産の片口イワシをメインに2種類の煮干しをふんだんに使った、ガツンと来る一杯。しかし塩分濃度は抑えめ。歯切れのいいパツンとしたストレート麺が、濃厚なスープに負けない存在感を放つ。

煮干しそば 氷見産の煮干しがガツンと効く一杯。パツンとした麺の食感も楽しい。

「また来たいよ」の一言が、20年を支えてきた

不破さん:

嬉しいですね。20何年ラーメン屋やってますけど、毎回その一言があって辛い仕事も乗り越えてこれた、力の源だと思っています。声が出なくても、笑顔や食べ終わった丼を見ることで嬉しくなって、日々の仕事が楽しくできる要因ですね。

おっさん食堂を、一言で表すなら

不破さん:

みんなが集える場所ですかね。お客様にとって元気になれる源の店舗でありたいですし、私が頑張ることで世の中のおっさんが元気になる活力を発信できるようなお店になりたいなと思っています。

不破さん・笑顔 20年分の自信と、地元への愛が言葉ににじむ。インタビュー中、不破さんは穏やかに、でも力強く語る。

「おい、おっさん行くぞ」——そう言いながら暖簾をくぐれる場所が、砺波にできた。
こってりは無理になってきたけど、美味いラーメンが食べたい。疲れたけど、ちょっと元気になりたい。そんな時に、ふらっと寄れる場所が、ここにある。

おっさん食堂

基本情報

住所 〒939-1363 富山県砺波市太郎丸1-9-24
アクセス

Googleマップ

営業時間

11:00 〜 14:00 / 17:30 〜 20:00

営業日

木〜火曜日

定休日

水曜日(月に2度、夜営業なしの日あり)

駐車場

ホテルルートイン砺波-駐車場

その他の事業・活動

白醤油そば / 中華そば / 煮干しそば(3種のラーメン)

公式サイト https://ossan-dining.com/
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