才川造園・才川絢也が守るのは、庭であり、この街の風景だ。

散居村を高いところから眺めると、田んぼの中に緑の塊が点々と広がっているのがわかる。
カイニョ——屋敷林と呼ばれる、南砺・砺波野の原風景をつくる木々だ。その一本一本が、誰かの手によって今日も管理されている。
1個1個のお庭を守ることが、この南砺市全体の風景を守ることにつながってると思ってます。
才川造園の代表、才川絢也さんはそう言った。33歳。業界ではだいぶ若い代表だ。
東京でダムを作っていた男が、庭師になるまで

もともと才川さんは、東京の建設会社でダムを作る現場監督をしていた。20代前半の話だ。
20代後半に差し掛かったタイミングで、地元に帰って何かしたいなって思って。造園の仕事に就こうと思いました。
祖父の代から続く才川造園。いつかは戻るだろうと、ずっとどこかで思っていた。使命感、というより——自然とそうなった、という感じで話す。
帰ってきて最初に感じたのは、責任の重さだった。
管理させてもらっているお庭って、基本的におじいちゃんとか先代が作って守ってきたものなんですよね。そのお庭を、守らなくちゃいけないなって。
「お庭は、贅沢品じゃないですか」
取材の途中で、こんな質問をしてみた。あなたにとって、お庭とは何ですか。
少し考えてから、才川さんは答えた。
贅沢品じゃないですか、お庭自体が。生活の幸福度の最大値を高めるもの——そんな感じかなと思って。一種の贅沢品なのかなって。
押しつけがましくなく、でも確かな信念として。必需品じゃないかもしれない。でも、あると人生が少し豊かになる。そういうものを作り、守る仕事を才川さんはしている。
お客さんとのコミュニケーションを大事にしながら、「どんなお庭にしたいか」を話し合って進めていくのも、その思いからきている。「木は生き物だから、長く見ていくものなんです」という言葉に、仕事への眼差しがよく出ていた。

「見て習え」じゃなく、話し合いながら
朝礼を見ていると、若いスタッフとベテランが自然に言葉を交わしている。才川さんが意識してそういう場をつくってきた。
職人さんって、口下手で思いを話したがらないイメージがありますよね。だからこそ、できるだけ意見を出し合って、相談しながら進めるようにしてます。
業界全体の高齢化を見ながら、才川さんが考えているのは「若い人が選びやすい会社にしたい」ということだ。休みをちゃんと取れる環境を整えて、それぞれが描く将来に寄り添いながら一緒に働く。
庭を作りたい人もいれば、木を育てたいという人もいる。その子が何を目指しているかを聞きながら、一緒にやるようにしてます。
若い人が造園に興味を持って入ってきて、挫折してしまうのがもったいない——才川さんの言葉の根っこには、そういう思いがある。

22歳の職人が、木と向き合う理由
スタッフの松永さんは22歳、この仕事5年目だ。高校で造園を学び、自然が好きだからという理由でこの道を選んだ。
基本的に向かい合ってるのが木なんで、ストレスもなく、落ち着いて楽しく仕事できてるかなって思います。
人と接するのがあまり得意じゃない、とさらっと言う。木の方が、楽なんですよ、と。でも仕事が終わってお客さんに「綺麗になったね」と声をかけてもらえる瞬間が、一番嬉しいという。
街を車で走っているとき、「あ、ここうちでやったな」と思い出す場所が少しずつ増えていく。
南砺の景色が、松永さんの一番好きな風景だ。

「小さなことでも、全然大丈夫です」
造園を頼んだことのない人へ、一言をもらった。
「この木だけでも管理お願いしようかな」——そんな小さなことでも全然大丈夫なんで。おじいちゃんが大事にしてたから残しとこうかな、くらいの気持ちで、ちょっとお庭に意識を向けてもらえたら嬉しいです。
最後に、この仕事を一言で表してもらった。
面白い仕事だと思います。生き物が相手だから、変化を楽しめる。それでいて人とも接して、「ありがとう」を直接もらえる。やりがいのある仕事だと思います。
あの散居村の緑は、そういう人たちの手で、今日も守られている。

有限会社才川造園土木
基本情報
| 住所 | 〒932-0248 富山県南砺市沖125 |
|---|---|
| アクセス | |
| 営業時間 |
8:00〜17:00 |
| 営業日 |
月曜〜金曜 |
| 電話番号 | 0763-82-1760 |
| 創業 |
昭和42年(1967年) |
| その他の事業・活動 |
造園・エクステリア・植栽管理・公共施設造園作業・屋敷林(カイニョ)の枝おろし |
| 公式サイト | https://saikawa-zouen.com/ |
| 公式SNS |