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心が震える、その瞬間のために。polaris(ポラリス)・北村さんインタビュー

祈りと、ときめきと。福光に生まれた「小さなミュージアム」——polaris(ポラリス)北村瞳

polaris(ポラリス)の外観
福光の一角に、多岐にわたる表現の場を開いた。

「ときめきと出逢う小さなミュージアム」

その看板をかかげた場所が、南砺市福光の一角にある。
店の名はpolaris(ポラリス)——北極星の意を持つ、白く静かな光の名前だ。

カフェではなく、ミュージアムだ

カフェでもあり、音楽の場でもある。でも、ここはカフェではない——と店主は言う。

北村さん:

美術館を想像していただくのが一番近くて。企画展のある時だけ扉が開く。開くたびに中の世界観が変わっている。そういう場所にいざないたいんです

polaris が最終的に目指しているのは、「月に数回だけ扉が開く場所」だ。カフェはその入り口だ。

北村さん:

自発的にここの情報をしっかり受け取ってくれる方たちと一緒に、ここで作る唯一無二の世界観を楽しんでいただく場所にしていきたい

polaris(ポラリス)の店内・雰囲気
シャッターが緞帳のように上がる。そのたび、中の世界が変わる。

福光に、思いっきり環元する

店主は、福光生まれ福光育ちだ。

20代のある時期、東京へ出た。10年間、音楽の活動をした。
結婚があり、出産があり、——そうして、故郷に帰ってきた。

北村さん:

今まで自分が培ってきたものを、周りの人にお返しする。そういう生き方ができれば、死ぬ時に後悔しないんじゃないかなという仮説を立てて。人脈も、音楽的な経験も、何もかもが全て財産だから。それを故郷に、思いっきり環元する、そういう生き方をしたいなと思って、この町でお店を始めました

一言に、祈りがある

polaris の活動全てに集約される言葉がある。

『あなたの人生が心震わす出逢いに溢れた、素晴らしい旅でありますように』

自分が演劇をし、絵を描き、歌を歌ってきた。その中で出逢った美しいものたちに、何度も救われてきた。その出逢いを、この町の人たちとシェアしたい。「生きてるって素晴らしいね」を、一緒に分かち合いたい——そのシンプルな祈りが、polaris のすべての根っこにある。

ピアノを弾き語りながら祈りを込めて歌う様子
目の前の人の人生が全て大丈夫になりますように。祈りを込めて歌う。

音楽で、世界一周する

「音楽教室をやっている」というのは、少し語弊がある——と北村さんは笑って言う。

北村さん:

歌をうまくなりましょうというレッスンをしてるわけではなくて。世界中の美しい文化芸術に出逢うことで生きる喜びを分かち合う。いろんな国由来の曲をみんなで歌って、その文化的な背景も学ぶ。1年通ったら、音楽を通して世界一周していた、みたいな。そういう旅へのいざないをここで提案したいなと思っております

参加者は生徒というよりも、世界観を一緒につくる仲間に近い、という。

「わぁ」となる、その一皿

polaris(ポラリス)のダークチェリーパフェ

polaris(ポラリス)のしそジュース
「お客様のテーブルに運んだ時に、ワアって声が色めき立つような見た目に」

テーブルに運ばれてくるのは、季節のパフェだ。

春はいちご、初夏はキウイとココナッツと束仁、夏はダークチェリー——「お客様のテーブルにお運びした時に、『わあ、かわいい』ってみなさんがちょっと声が色めき立つような、そういう見た目になるよう意識して」、中身の組み合わせも考える。トルティーナという可愛いビスケットは、去年イタリアへ行った時に現地で見つけた物だ。

夏のドリンクは、サングリア風しそジュース。南砺市産の紫蘇をシロップにして、フルーツと合わせて炭酸で割る。ルビー色が沈んで、泡が立って、フルーツが浮かぶ——カクテルのような美しい色合いだ。淡い紫蘇の風味がまろやかに広がり、飲み終わった後のスッキリ感は、夏バテを吹き飛ばすようだ。

お味噌汁には、実家の自家製味噌。麹たっぷりで減塩、一般的な味噌より甘く感じる。どこかホッとする味わいが、ランチに添えられている。

北村さん:

ここに訪れた方に、ときめきを感じさせるということが約束としてあると思っているので。少なくとも自分自身がまず『これ出てきたら『わっ』て心がときめくな』って感じられるものをメニューとして提供するってことは意識してます

ときめくとは、本来の自分に戻ること

ときめく、とはどういう状態か。

北村さん:

もう本来の自分の状態。取り繕えない。特に女性は自分も含め、「かわいいもの」と「おいしいもの」、それを見てる時に、もうすごくいい意味でIQが下がる(笑)。もう何も考えられないくらい手放しで嬉しい気持ちになる、もう子供に返るような状態を、ときめくという風に言っています

「あ、私ってこういうものが好きだったんだな」と自分の本心を思い出すような時間。それが、polaris に来た人に過ごしてほしい時間だ。

店内に沢山の人が集まり音楽を楽しむ様子
童心に帰るような時間。私もこういうものが好きだったんだな、と思い出す場所。

あたらしいうた

去年8年ぶりに新しいCDを出した。その中の一曲、ひらがなで『あたらしいうた』。

北村さん:

抱えてるものが何もない人っていないんだなとわかって。みんな各々に、大なり小なりある。その抱えてるものが、きっといつか大丈夫になるように。この歌を聴いてくれた人たちに対する、祈りを込めた歌です

時々、カフェ営業中に歌う。初めてのお客さんがおられる時、手が空いた時——自己紹介的に、歌う。

北村さん:

目の前の人の人生が全て大丈夫になりますように。抱えてるものがいつか全部、この日のためだったんだなって。解決しなくてもいいんですけど、ご本人の中に何か納得感とか、腑に落ちるような瞬間が、きっと来る。そう信じて祈りを込めて歌ってます

もし今、信じられなくても代わりに、私が信じるように祈りたいなと思います——と、北村さんは言った。

インタビューを笑顔で受けるpolaris(ポラリス)の北村瞳さん
『あなたの人生が心震わす出逢いに溢れた、素晴らしい旅でありますように』

polarisとはどんな場所か、と聞けば、きっと「ときめきと出逢う小さなミュージアム」と返ってくる。でも本当のところは、もう少し大きなものだと思う。

福光に生まれ、東京で過ごし、故郷に帰ってきた一人の人間が、自分の全部を注いでいる場所。
ここへ来た人が、美しいものと出会い、子供の頃の自分を思い出し、祈りを受け取って帰っていく——そういう場所だ。

シャッターが上がるたびに、中の世界が変わっていく。
その日を、北村さんはゆっくりと、確かに目指している。

polaris(ポラリス)

基本情報

住所 富山県南砺市福光6835
アクセス

福光駅から662m(徒歩約9分)

営業時間

11:00〜16:00

営業日

月・火・日

定休日

水・木・金・土

ご予約

可(TELにてお問い合わせください)

電話番号 0763-77-3458
駐車場

有(斜め向かいに無料駐車場3台)

その他の事業・活動

企画展・絵本原画展・読書会・コンサートなど文化イベントを定期開催

公式サイト https://r.goope.jp/polaris-toyama/
公式SNS
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